遺言書作成 相談支援:名古屋市の司法書士リーガルコンパス

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遺言で出来ること

遺言書には何を書いても良いの?



遺言事項とは

遺言書に記載すれば、どのような内容でも法的な効果が発生するというわけではありません。

遺言書に記載することによって、法律上の効果が有効に生ずる事項は、民法などの法律によって限定されています。この遺言としての法的効力が認められる事項を「遺言事項(法定遺言事項)」といいます。

遺言は、遺言者の一方的な意思表示によって法的効果を生じますが、遺言の効力が生じる相続開始時においては、既に遺言者は他界しているため、当人の真意を確認することができません。
それにもかかわらず、あまりに無制限に広く遺言事項を認めてしまうと、権利関係が曖昧となってしまい、相続人や利害関係人など遺された者に対して迷惑をかける事態となります。場合によっては、遺言書の内容をめぐって争いが起こるおそれがあります。
そこで、遺言の明確性を確保して後日の紛争を防止するために、遺言事項を限定しているのです(遺言事項法定主義)。

遺言事項は、「相続に関する事項」「財産に関する事項」「身分関係に関する事項」「遺言執行に関する事項」に分類することができます。


■相続に関する遺言事項

相続人の廃除又はその取消(民法893条、 民法894条2項)
廃除とは、遺留分を有する推定相続人(兄弟姉妹以外の法定相続人)が被相続人に対して虐待や侮辱等を行ったため、被相続人がその者の相続権を剥奪したいと考える場合に、その者の相続権を消失させる制度です。
廃除の取消しとは、被相続人が行った廃除の効果についてなかったものにする制度です。
家庭裁判所で審理がなされ、廃除を認める審判が下されたり、廃除を認める調停が成立すると、廃除された相続人は相続権を失います。
廃除や廃除の取消しは、生前行為によっても、遺言によってもなすことが可能です。

相続分の指定及び指定の委託(民法902条)
被相続人は、遺言により、共同相続人の全部または一部の者について、法定相続分の割合とは異なった割合で相続分を定め、またはこれを定めることを第三者に委託することができます。
遺言書によって相続分を指定したときは、法定相続分に優先します。
相続分の指定や指定の委託は遺言によって行わなければならず、 生前行為によってなすことは認められません。

特別受益の持戻しの免除(民法903条3項)
共同相続人の中に、被相続人から特別の利益を受けていた者、あるいは遺言によって何らかの特別の財産を受けた者がいる場合に、相続財産について単純に法定相続分どおりに分配すると、不公平が生じるおそれがあります。
これを是正するのが、「特別受益」の制度です。
つまり、相続人が被相続人から受けた特別の利益を、その相続人が遺産分割にあたって受けるべき財産の前渡しとして扱われ、当該特別の利益の価額を遺産に加算して計算します。このように当該特別の利益を遺産に含めることを「特別受益の持戻し」といいます。
被相続人は、遺留分の制約を受けるものの、自分の意思で自身の財産を自由に処分することが認められています。そうであれば、生前贈与または遺贈によって一部の相続人に特別に利益を与えることが被相続人の意志である場合には、その意思を尊重すべきことになります。
被相続人は、遺言により、(他の共同相続人の遺留分に反しない限り)「特別受益の財産を相続財産に含めて遺産分割を行うこと要しない」と定めることができます。これを「特別受益の持戻しの免除」といいます。
遺贈の持戻し免除の意思表示は、遺言でのみすることができます。

遺産分割方法の指定及び指定の委託(民法908条)
被相続人は、遺言により、遺産をどのように分割するか、誰が何を相続するかについて指定し、またはその指定を第三者に委託することができます。
遺言によって、遺産の分割方法を具体的に指定することによって、相続トラブルを防止することができます。

遺産分割の禁止(民法908条)
相続人が未成年であるため(成人して)判断する力が備わるのを待ってから遺産分割協議を行わせたい場合や相続開始後すぐに遺産分割を行うと相続争いが起こりそうなときなどには、相続人間の利害や便宜を考慮して、一定の期間につき遺産分割を禁止する実益があります。
被相続人は、 遺言の内容として相続開始後5年以内の期間を定めて、 遺産の全部又は一部について遺産分割することを禁止することが可能とされています。
被相続人が、遺産分割を禁止したい場合は、必ず遺言でしなければいけません。
分割禁止の遺言がある場合、相続人は、その期間中、協議による分割はもちろんのこと、調停、審判の申立てもできません。
なお、すべての相続財産について遺産分割を禁止できるのみならず、特定の相続財産についてのみ遺産分割を禁止することも可能です。

相続人相互間の担保責任の指定(民法914条)
各共同相続人は、他の共同相続人に対して、売主と同じく、その相続分に応じて担保の責任を負うと規定されています(民法911条)。
遺産分割で財産を取得したものの、その財産が他人物であったり、数量不足であったり、他人の権利が付着していたり、隠れた瑕疵があったりしたような場合に、欠陥のある財産を相続した相続人は、他の相続人に比べて損をすることになってしまい、相続が不公平なものとなってしまいます。
そこで民法は、相続人間の公平性を保ち、問題のある相続財産を承継した相続人を保護するため、他の相続人に対して、損害賠償請求や解除を求めることができると定めています。
また、ある相続人が相続財産中の債権を取得した場合、他の相続人は、分割時もしくは弁済時における債務者の資力を担保しなければなりませんし、担保責任を負う相続人の中で資力を有しない者があるときは、他の全ての相続人がその無資力分を担保しなければなりません。
被相続人は、遺言によって、民法が定める内容とは異なる責任の負担方法を指定することができます。

■財産に関する遺言事項

寄附行為 (民法41条2項)
遺言書を作成することによって、国や地方公共団体のほか、学術・慈善活動など公益的な事業を行う法人に対して相続財産の全部または一部を寄附することができます。

祭祀主催者の指定(民法897条1項但書)
祭祀財産の承継者は、相続財産とは別に、その慣習に従って祖先の祭祀を主催すべきものが承継することとされていますが、遺言で指定がある場合は、遺言により指定された者が承継します。
祭祀主催者となるための資格に制限はなく、長男でなくとも長女でも二男でも、氏の異なる姪や甥でも、他人でも可能です。
祭祀主催者は原則として、1人とされ、祭祀財産は一括して1人の主宰者が所有すべきとされますが、特別の事情があれば、祭祀財産を分けて承継させたり、祭祀主催者と祭祀財産所有者を分けて定めることも可能とされています。
祭祀主宰者は、第一に被相続人が指定した者、第二に、こうした指定がない場合には慣習に従って、第三に、慣習が不明な場合には家庭裁判所が定めることになっています。
被相続人は、祭祀主宰者について遺言で指定するほか、生前において指定することもできます。
紛争を防止するために、遺言により祭祀承継者、主宰者を指定されることをお勧めいたします。

遺贈(民法964条)
相続では、原則として、故人の相続財産や権利義務の全てを相続人が受け継ぐことになります。
様々な事情によって、法定相続人に対して遺産を相続させたくない場合や相続人以外の第三者に対して相続財産を譲りたいと思われるケースもあることでしょう。
故人の意思を最大限に尊重するため、「遺贈(いぞう)」という制度を設け、遺言によって遺産の全部または
一部について、無償あるいは一定の負担を付して相続人や相続人以外の者に対して譲ることを認めています。
遺贈の相手方は、個人・法人を問いません。
遺言者は、遺言書を作成することによって、誰に対して、どのような相続財産を、どのくらい譲るのかについて自由に定めることができます。

遺留分減殺方法の指定(民法1034条但書)
民法では、遺留分減殺請求において、遺贈は、それぞれの目的の価額の割合に応じて減殺することが規定されています。
すなわち、遺贈が複数存在する場合には、特定の遺贈から順次減殺を行っていくのでなく、全ての遺贈を対象として、その価額の割合に応じた割合的減殺を行うこととなります。
被相続人の最終意思を尊重するために、遺言によって、この遺贈の減殺方法を指定することができます。
指定の方法としては、減殺すべき金額を遺贈ごとに指定したり、各遺贈に対する減殺の順番を指定したりすることが想定されます。
減殺方法の指定は遺言によって行わなければならず、 生前行為で指定することは認められません。

一般財団法人の設立・財産の拠出(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律152条等)
遺言によって、一般財団法人を設立することが可能です。
その場合、遺言で一般財団法人を設立する意思を表示し、定款に記載すべき内容を遺言で定め、遺言執行者が遺言の内容の実現(遺言の執行)として、次の①から⑦のとおり、一般財団法人の設立手続を行います。
【遺言による一般財産法人設立手続の概略】
① 設立者が遺言で一般財団法人を設立する意思を表示し、定款に記載すべき内容を遺言で定める
② 遺言執行者が遺言の内容の実現(遺言執行)し、遺言に基づき定款を作成し公証人の認証を受ける
③ 遺言執行者が財産(価額300万円以上)の拠出の履行する
④ 定款で設立時評議員、設立時理事、設立時監事(設立時会計監査人を置く場合は、この者も含む)を定めなかったときは、定款の定めに従ってこれらの者の選任を行う
⑤ 設立時理事及び設立時監事が設立手続の調査を行う
⑥ 設立時理事が法人を代表すべき者(設立時代表理事)を選定する
⑦ 設立時代表理事が法定の期限内に主たる事務所の所在地を管轄する法務局に設立の登記の申請を行う


生命保険受取人の変更(保険法44条)
従来、生命保険金受取人の変更を遺言により行うことができるかについては意見の対立がありましたが、平成22年4月1日施行の保険法により、「保険金受取人の変更は、遺言によっても、することができる」と定められました。これにより、遺言によって保険金受取人を変更することができることが明確になりました。
ただし、遺言による生命保険金受取人の変更は、遺言の効力が発生した後、保険契約者の相続人がその旨を保険会社に通知しなければ保険会社に対抗できません。
なお、保険法の施行前に締結された保険契約には、保険金受取人の変更に関する上記規定は適用されませんのでご留意ください(同法附則4条)。

信託の設定(信託法3条2号)
信託とは、一定の目的に従って財産の管理又は処分をさせるために、他人に財産権の移転その他の処分をさせることをいいます。
遺言において、信託財産、目的、受益者、受託者等の信託の内容を定めておくこで、相続の開始に伴い信託が開始することになります(遺言信託)。
ただし、受託者として指定された者が受託者を引き受ける義務はないため、受託者の引き受け手がなく信託自体が立ち行かなくなることも考えられます。そのため、遺言信託を行う場合には、受託者として指定する者に対して事前に承諾を得ておくこと等の対応が必要になります。

■身分に関する事項

認知(民法781条2項)
認知とは、婚姻関係にない男女間に生まれた子について、父親が自分の子であることを認めることをいいます。母子関係は分娩の事実によって当然に生じますが、父子関係は認知によって生じます(民法779条)。
認知は生前行為によっても、遺言によってなすことも可能です。
遺言による認知を行った場合には、遺言執行者が認知の届出を行います。
そのため、遺言で遺言執行者の指定ないし指定の委託を行うか、遺言者の死後に、家庭裁判所で遺言執行者を選任する必要があります。
なお、一般に認知は、戸籍上の届出によって成立しますが、遺言による認知の場合は、遺言の効力が生じた時(相続開始時)に認知の効力が生じます。

未成年後見人の指定(民法839条1項)
親権者が存在しない、あるいは親権者が管理権を有しない場合には、未成年者保護のために、未成年後見人が選任され、未成年者の監護、教育、財産の管理、代表等を行うことになります(第838条)。
未成年者に対して、 最後に親権を行う者で、かつ管理権を有するものは、遺言で未成年後見人を指定することができます。
未成年後見人の指定は遺言によってのみなすことが認められています。

未成年後見監督人の指定 (民法848条)
未成年後見人の権限は多岐にわたることから、後見事務が適切に行われいるかを管理監督するために、必要に応じて(任意に)その監視者を設けることができます。
この監視者のことを「未成年後見監督人」といい、未成年後見人の不正を発見した場合にはその解任を請求する権利を有しています。
未成年者に対して、 最後に親権を行う者で、かつ管理権を有するものは、遺言によって未成年後見監督人の指定を行うことができます。
未成年後見監督人の指定は遺言によってのみなすことができるとされているため、遺言者が未成年後見監督人を指定する場合、同一の遺言で未成年後見人の指定も行っておくことが通常です。

■遺言の執行に関する事項

遺言執行者の指定、または第三者への指定の委託(民法1006条1項)
遺言執行者は、一人でも数人でも構いません。
遺言執行者が必要であるにも関わらず、遺言による執行者の指定又は指定の委託がなされていない場合、家庭裁判所で遺言執行者を選任します。

    
[参考]遺言によってのみ認められ、遺言者の生前行為によって行うことが許されていないもの
(1)未成年後見人の指定(民法839条1項)
(2)未成年後見監督人の指定 (民法848条)
(3)相続分の指定又は指定の委託 (民法902条1項)
(4)遺贈についての特別受益の持戻しの免除(民法903条3項)
(5)遺産分割方法の指定又は指定の委託 (民法908条)
(6)遺産分割の禁止 (民法908条)
(7)相続人の担保責任の指定 (民法914条)
(8)遺贈の減殺方法の指定 (民法1034条但書)
(9)遺言執行者の指定又は指定の委託 (民法1006条)


付言事項とは

法定遺言事項に該当する内容でなければ、仮に遺言書に記載をしたとしても、遺言としての法的効力は生じません。その意味では、そのような事項を記載をしても、法的には無意味といえます。

もっとも,法的に無意味というだけであって、遺言事項でないことを遺言書に記載することが禁止されているわけではありません。

法定遺言事項でない内容であっても、何かしらの意図や理由をもって記載される事項については、一定の効果・影響が生ずることを期待できます。
単に法的効果の認められる遺産に関する事項のみを列記するのではなく、遺言者の思いが込められたメッセージを残すことで、感情的な争いの抑止として作用します。
いわゆる「付言事項」と呼ばれる記載です。

たとえば、遺言によって法定相続分よりも少ない取り分しか得られなくなった相続人に対して、少なくした理由、経緯や思いなどを説明し、遺産相続をめぐって争わないようにとお願いに関する付言を記載しておくことことは、実務上一般的です。
また、自分の葬儀の方法についての指定や、遺された家族への要望、感謝の言葉などを付言事項として書くことも少なくありません。



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 司法書士 鈴木雅勝(愛知県司法書士会所属 第1208号)

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