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How to 会社設立

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よくあるお問い合わせ Q&A

 05.有限責任事業組合(LLP)について

  Q.有限責任事業組合(LLP)とは、何ですか?
  Q.有限責任事業組合(LLP)は、何人以上で設立できますか?
  Q.有限責任事業組合(LLP)の組合員は、誰でもなることができますか?
  Q.有限責任事業組合(LLP)の組合員が法人である場合、何か注意すべき点はありますか?
  Q.有限責任事業組合(LLP)の設立に際して公証人による認証手続は必要ですか?
  Q.有限責任事業組合(LLP)の名称を決定する際に注意すべき点は何ですか?
  Q.有限責任事業組合(LLP)の事業目的を決定するうえで、注意すべき点を教えてください。
  Q.有限責任事業組合(LLP)の主たる事務所はどこでも良いのですか?
  Q.有限責任事業組合(LLP)へ出資できる財産に制限はありますか?
  Q.有限責任事業組合(LLP)の設立に関して重要なポイントは何ですか?
  Q.出資金の払い込みのために使用する預金通帳は何でも良いのですか?
  Q.出資金の払い込みはどのようにすれば良いのですか?
  Q.有限責任事業組合(LLP)は、事業年度を決める際に、特に注意すべきことは何ですか?
  Q.有限責任事業組合(LLP)で必要な印鑑について注意すべき点は何ですか?
  Q.構成員課税(パススルー課税)とは何ですか


  有限責任事業組合(LLP)とは、何ですか?
Answer

有限責任事業組合は、有限=Limited、責任=Liability、組合=Partnershipのそれぞれの頭文字をとって「LLP」と呼ばれています。
有限責任事業組合(LLP)は、民法組合の特例として、経済産業省主導で平成17年8月1日に施行された「有限責任事業組合に関する法律」に基づく事業体です。

有限責任事業組合(LLP)では、出資者は組合員と呼ばれ、有限責任事業組合(LLP)の根本規則である「有限責任事業組合契約」を組合員間で締結します。組合員は「組合契約書」に従って有限責任事業組合(LLP)の運営を行います。


  有限責任事業組合(LLP)は、何人以上で設立できますか?
Answer

有限責任事業組合(LLP)は、最低2名以上で設立が可能です。
組合員(出資者)は、最低1円以上出資する必要があるため、出資金2円以上で設立できることになります。

有限責任事業組合(LLP)は、原則として組合員全員の同意によって運営されますので、迅速かつ柔軟な意思決定が可能という特性を生かすためにも、あまり大規模な組織には適していない点に留意が必要です。


  有限責任事業組合(LLP)の組合員は、誰でもなることができますか?
Answer

有限責任事業組合(LLP)の組合員になることのできるものは、個人又は法人とされています。従って、法人格のない団体(民法上の組合や他の有限責任事業組合(LLP)など)は組合員になることができません。

なお、組合員のうち1名以上は、@日本国内に住所を有し、もしくは現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人又はA日本国内に本店もしくは主たる事務所を有する法人でなければなりません。


  有限責任事業組合(LLP)の組合員が法人である場合、
何か注意すべき点はありますか?
Answer 法人を有限責任事業組合(LLP)の組合員とする際には、次の点にご注意ください。
  • 有限責任事業組合(LLP)の事業がその法人(組合員)の事業目的の範囲内であることが必要である。
  • 出資する法人から職務を行う個人(職務執行者)を選任し、他の社員にその者の氏名及び住所を通知しなければならない。

  有限責任事業組合(LLP)の設立に際して
公証人による認証手続は必要ですか?
Answer

有限責任事業組合(LLP)の設立には公証人による認証手続が必要ありません。

有限責任事業組合(LLP)では、定款に代わって出資者(組合員)が組合の組織形態、運営・活動内容について定めた「組合契約書」を作成しなければなりません。


  有限責任事業組合(LLP)の名称を決定する際に注意すべき点は何ですか?
Answer 有限責任事業組合(LLP)の名称を決定する際には、以下のルールに注意が必要です。
【有限責任事業組合(LLP)の名称に関する主なルール】
  • 有限責任事業組合」という文字を名称中に使用しなければなりません。
  • 会社の一部門を示す文字は使用できない場合があります。
    ex.有限責任事業組合リーガルコンパス名古屋支店
  • 使用するために、一定の要件や許認可が必要な文字があります。
    ex.「銀行」「消費生活協同組合」「信託会社」「保険会社」「証券会社」
  • 使用できる文字には制限があります。
    使用可能な文字は、漢字、ひらがな、カタカナ、ローマ字、アラビア数字や「&」、「’」、「,」、「−」、「.」、「・」などの符号(※)
(※)符号は、字句(日本文字を含む。)を区切る際の符号として使用する場合に限り用いることができます。商号の先頭又は末尾に用いることはできません。ただし、「.」(ピリオド)については、省略を表すものとして商号の末尾に用いることが認められています。(法務省「商号にローマ字を使用することについて」より)

  有限責任事業組合(LLP)の事業目的を決定するうえで、
注意すべき点を教えてください。
Answer

有限責任事業組合(LLP)の事業目的の決定に際して、注意すべき点は「株式会社の目的」の場合と同様です。

ただし、有限責任事業組合(LLP)特有の問題として、禁止されている業務がある点に注意が必要です。
【有限責任事業組合(LLP)として禁止されている業務】

  1. 1その業務の性質上、組合員の責任の限度を出資の価額とすることが適当でない業務
    ex.司法書士などいわゆる「士業」と呼ばれる業種
  2. 1組合の債権者に不当な損害を与えるおそれのある業務
    ex.宝くじ、勝馬投票券やサッカーくじなどの購入

  有限責任事業組合(LLP)の主たる事務所はどこでも良いのですか?
Answer 有限責任事業組合(LLP)の主たる事務所は、活動拠点となる場所です。組合員の自宅など(マンション・アパートを含む)を主たる事務所として定めることもできます。
有限責任事業組合(LLP)の主たる事務所について注意すべき点は、「株式会社の本店」と同様です。

  有限責任事業組合(LLP)へ出資できる財産に制限はありますか?
Answer

貸借対照表上の資産に計上可能なものであれば種類を問いません。例えば、金銭、不動産、動産(ex.自動車)、第三者に対する債権、有価証券、知的財産権などは、いずれも出資できます。

ただし、組合員が有限責任しか負わない有限責任事業組合(LLP)では、債権者保護の観点から労働力の提供は出資財産として認められていません(労務出資の禁止)。


  有限責任事業組合(LLP)の設立に関して重要なポイントは何ですか?
Answer

有限責任事業組合(LLP)の設立に関して重要なポイントは、運営及び各組合員の役割や成果分配に関して、組合員全員がいかに議論と検討を重ねるかということだと考えます。
従って、組織のルールを定める根本規則「組合契約書」をしっかりと作成することは、とても大切なことです。

なお、有限責任事業組合契約は、組合契約書に記載されている契約の効力発生日もしくは組合員全員による出資の完了日のいずれか遅い日に効力が発生し、「存続期間」という有効期限がある点に特徴があります。
(※)金銭→金銭の払込み
不動産→所有権移転登記の完了


  出資金の払い込みのために使用する預金通帳は何でも良いのですか?
Answer 組合員名義の預金口座(※)の通帳をご用意ください。預金口座は、従前からお使いの口座で構いません。
ただし、出資金の振込(入金)に関する記載のある通帳のページは、そのコピーを登記申請の際に法務局に提出する必要があります。
普段お使いの口座では、通帳の該当ページに出資金とは全く関係のない入出金の履歴も記帳されているはずです。ご自分のプライバシーを法務局の担当者に知られるのは、あまり気分の良いものではないでしょうから、新規に口座を開設されることをお勧めします。
(※)金融機関は次のいずれかでなければなりません。
@銀行A信託会社B商工組合中央金庫C農業協同組合等D漁業協同組合等E信用協同組合等F信用金庫等G労働金庫等H農林中央金庫

  出資金の払い込みはどのようにすれば良いのですか?
Answer 面倒ですが、各組合員の出資金額ごとに払い込みをしてください。
単なる入金ではなく、出資者の氏名が通帳に記載されるように振り込みをお願いします。なお、預金口座名義人である組合員に関しては、入金で構いません。
例えば、組合員A及びBが有限責任事業組合(LLP)を設立する際、振込先口座を「組合員Aの銀行口座」と定めた場合、組合員Aの銀行口座に出資財産全額を払い込みます。払い込みをする際には、@組合員Aは自分の銀行口座に「入金」することA組合員Bは組合員Aの通帳に個人名が明記されるように、必ず組合員A名義の銀行口座に「振込み」をすることが必要です。

  有限責任事業組合(LLP)は、事業年度を決める際に、
特に注意すべきことは何ですか?
Answer 組合員が個人の場合は、事業年度を「1月1日から12月31日まで」とすることをお勧めいたします。
組合員個人については、1月1日から12月31日までに生じた所得を計算して確定申告を行う必要がありますが、個人の所得にかかる確定申告の計算期間と有限責任事業組合(LLP)の事業年度が異なると、計算期間にずれが生じるため所得の計算処理が煩雑になります。
組合員が法人である場合は、組合員法人の事業年度に合わせることをお勧めいたします。会計処理が複雑になることを防止するためです。

  有限責任事業組合(LLP)で必要な印鑑について注意すべき点は何ですか?
Answer 有限責任事業組合(LLP)の印鑑について注意すべき点は、「会社の印鑑について」と同様です。
なお、代表者印に関して「LLP」という文字を使用することは可能です。登記手続において「有限責任事業組合」という文字を名称中に使用しなければならないのは、登記申請関係書類や登記簿(登記記録)上の記載表現に限られています。

  構成員課税(パススルー課税)とは何ですか
Answer

株式会社や合同会社(LLC)では、会社の利益に対し法人税が課されます。また、その後利益(税引後利益)を出資者に配当分配をした時点でさらに課税されるという、いわゆる「二重課税」が実施されています。

しかし、有限責任事業組合(LLP)には法人格がないため法人税が課されず、出資者に分配された時点で初めて課税されます。これを構成員課税(パススルー制度)といいます。なお、損益分配を受けた組合員は各自の責任で確定申告などの納税手続を行う必要があります。

【確定申告手続】

組合員に利益の分配があった場合
組合員の事業が
有限責任事業組合(LLP)のみの場合
有限責任事業組合(LLP)の
利益のみで確定申告手続を行う
組合員が有限責任事業組合(LLP)の他に事業をしている場合 他の事業に
利益が出る場合
有限責任事業組合(LLP)の利益と他の事業の利益を合算して確定申告手続を行う
他の事業に
損失が出る場合
有限責任事業組合(LLP)の利益と他の事業の損失を合算して確定申告手続を行う
組合員に損失の分配があった場合
組合員の事業が
有限責任事業組合(LLP)のみの場合
有限責任事業組合(LLP)の
損失のみで確定申告手続を行う
組合員が有限責任事業組合(LLP)の他に事業をしている場合 他の事業に
利益が出る場合
有限責任事業組合(LLP)の損失と他の事業の利益を合算して確定申告手続を行う
他の事業に
損失が出る場合
有限責任事業組合(LLP)の損失と他の事業の損失を合算して確定申告手続を行う




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